トンボフォーラムとは

トンボはドコまで飛ぶかフォーラムとは?

 トンボはドコまで飛ぶかフォーラムは、京浜臨海部の緑地の質向上と生物多様性に貢献することを目的に、企業、市民、行政、専門家がそれぞれの立場で参加するゆるやかなネットワークです。
企業は、企業緑地を市民に開放したり活動場所として提供して緑地の質の向上をめざし、市民は、活動推進のマンパワーとなり企業緑地を提供する企業の応援団となります。
専門家は、調査結果の解析によって企業緑地の科学的評価を行い、行政は、フォーラムの活動を施策に位置づけたり反映させることで活動を社会的に認められるようにします。
それぞれの具体的な行動は参加者の自主性に任せていますが、すべての参加企業で生物の生息環境に配慮した緑地整備が行われました。

フォーラム概要

フォーラムのイメージ図


代表あいさつ

トンボという小さな生きものを通して、私たちの生活と自然との関わりを見つめ直そう

「トンボはドコまで飛ぶかフォーラム」は横浜市環境創造局が進めている「京浜の森づくり事業」の一環として、10年間活動を続けてきました。明治以降、横浜市内でいち早く工業化の進んだ京浜臨海部は緑の少ない工業地帯だと思われていますが、じつは各事業所の敷地内には一定規模の緑地や貯水池が確保されるとともに、トンボ池などが造られ多くの生きものが生息しています。
こうした環境をさらに豊かにしていこうという思いから、企業、市民、専門家、行政などがお互いに連携し、活動を続けてきました。具体的には毎年、京浜臨海部で見られるトンボの種類や頭数、行動範囲などを地道に調べてきました。当フォーラムではトンボ調査を単なる環境保全の市民活動で終わらせるのではなく、専門家の研究によりトンボの生息環境の変化や活動の効果を学術的に分析・記録してきました。そのなかで、実際にトンボが地域を飛びかっていることも証明されました。
その活動を通して、調査地点のある企業などはトンボ池の新設や、既存緑地、水辺の改修などに取り組んでくださいました。それは私たち市民活動をしているものにとって目に見える成果として喜ばしいことでした。今まで京浜臨海部という遠いところにあった工場地帯が、このフォーラムの活動でとても親しみやすい場所として私たち市民にも認識されるようになったわけです。
このように、京浜臨海部の緑地や水辺の環境が豊かに保たれることは、臨海部と内陸の丘陵部の生きものたちを育むエコロジカルネットワークの形成につながり、さらには人と人とを結びつけることにもなったのです。
活動11年目の節目を迎える今年度は、JFE21世紀財団からの寄付により、これまでの活動および調査をまとめたホームページを立ち上げることができました。これによって「トンボがドコまで飛ぶかフォーラム」の活動を皆さまに知っていただくとともに。トンボという小さな生きものを指標に見つめ直すことが、私たちの生活と自然の関わりを考え直すきっかけになれば幸いです。

トンボはドコまで飛ぶかフォーラム代表 吉田洋子

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活動の背景

明治以降、横浜市内でいち早く工業化の進んだ京浜臨海部では、一見無味乾燥の工場が建ち並んでいる地域と思われがちですが、実は、事業所敷地内には一定規模の緑地が確保されています。これらの緑地等は、生物多様性のための環境向上機能を持つことにより、臨海部と丘陵部とのエコロジカルネットワークの役割が期待されています。
しかし、地域住民の生活空間から隔離されている京浜臨海部においては、せっかく整備した企業緑地やビオトープの存在が、市民にはほとんど知られていません。
このような背景の中、市民が企業緑地の存在を認識し、企業は緑地の価値を見出すことで、結果として京浜臨海部の自然環境が豊かになることを目的に2003年から活動を開始しましました。


年間を通した活動

トンボはドコまで飛ぶかフォーラムでは、会員である企業、市民、専門家や行政などと協働してさまざまな活動を行ってきました。

年間計画2

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京浜臨海部の環境を探るトンボ調査

「トンボはドコまで飛ぶか調査」は、2003年より横浜市と協働で行っている京浜臨海部でのトンボの飛来調査です。
毎年、8月第1週目に、京浜臨海部の企業緑地や内陸部の公園など10カ所の調査地において、市民ボランティアや学生、企業の社員など200名近くが参加して調査地ごとに3日間の調査を行っています。
トンボの翅に数字でマークをつけて追跡するマーキング調査法を使ってトンボの行動を調べることで、地域内に生息しているトンボの種類や変化、トンボの移動範囲や臨海部と内陸部の自然環境のつながりなどが分かってきました。
調査の結果は、トンボの生態にも造詣が深い田口正男先生(東京農業大学客員研究員・農学博士)の協力を得て、その推移を論文としてまとめています。

1.捕獲
なるべく翅を傷つけないように捕虫網で捕獲する。捕獲できなかったトンボも、目視情報を記録しておく。

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2.トンボの同定
捕獲したトンボの種類、雌雄を確定する。同定が難しい場合には、写真に撮る。

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3.マーキングと記録方法
捕獲したトンボに、マーキングがない場合
後翅に油性ペンで識別番号、捕獲時刻、トンボの種類、雌雄の別、成熟度、翅の破損状況を記録用紙に記載する。

マーキングがある場合
再捕獲用の記録用紙に、識別番号、捕獲時刻、トンボの種類、雌雄の別、成熟度、翅の破損状況を記載する。

番号付け (320x212)

4.放虫
捕獲したトンボを放す。放虫後、目で追えるうちは捕獲の対象としない。

調査地点図2015

トンボ調査の調査地点図

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調査結果の活用

具体的な成果は、企業のCSRの推進力に
市民による調査活動を学術的に検証することによって、活動に参加する企業事業所の緑地やトンボ池が京浜臨海部の生態系に与えている影響を具体的なデータとして示すことができ、企業のCSR活動の評価として役立てていただいています。
企業の努力によってトンボの生息環境が改善されていることが明らかになることで、新たな企業緑地、トンボ池の整備などが推進され、京浜臨海部でのビオトープネットワークの質のさらなる向上が図られています。
また、市民や企業が調査に参加することで、身近な自然とふれあい、生物多様性の大切さを知る貴重な場の提供にもなっています。
これまで、本調査に参加した市民ボランティアや学生、企業の社員は、延べ1800人にもなり、この10年間で18種4978頭のトンボが確認されています。

トンボとり大作戦

子どもたちにトンボの生態や地域の環境を知ってもらうため、2005年から夏休みに「トンボとり大作戦」を開催していました。

活動場所は、キリン横浜ビアビレッジ、横浜サイエンスフロンティア高等学校、三ツ池公園、JFEトンボみち、東京ガス環境エネルギー館などで行ってきました。
2013年からは6月から10月まで、入船公園とJFEトンボみちで毎月開催しています。
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調査は本調査と同じ方法で行われますが、この活動を自由研究にまとめる子どもも多く、身近な自然や生きものに興味を持つきっかけ作りにもなっています。


報告会や調査地見学会による普及活動

毎年、秋にトンボ調査の報告会も行っています。調査の結果を関係者と共有し、市民の皆さんにも広く知っていただくことが目的です。

田口正男先生による結果解析によって毎年新たな発見もあり、フォーラム参加者の励みとなっています。
また、報告会においては「トンボとり大作戦」に参加した子どもたちの表彰も行っています。
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企業向け報告会と調査地見学会

トンボや京浜臨海部のエコロジカルネットワーク、生物多様性などに対する理解を深め、フォーラムの活動を知っていただくための普及活動も行っています。

活動10周年を迎えた2012年には、企業における生物多様性の取り組みの重要性を理解し、本業の土地利用戦略に反映させるために企業関係者に向けた講習会「企業緑地と生物多様性」を、企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)※1、エコアセットTM・コンソーシアム※2と協働で開催しました。
また、フォーラムの活動現場を広く知っていただく機会として、209年には「全国トンボ市民サミット」の一環として調査地見学会を実施。2010、2011年は独自の見学会を実施しました。2012年は愛知県知多半島の工業地帯の企業緑地で活動する「命をつなぐプロジェクト」による見学会も行われ、交流を深めています。
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